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叔母の小発見 [家族]

昨日の午前中、二日酔いで寝ていたら長野の叔母から電話があった。

今、静岡の駅にいるという。

俳句で賞をもらい、その授賞式があって、静岡に一泊したらしい。

せっかく遠くまで来たので私の家でもう一泊させてくれという。

私が二日酔いなら寝ていても構わない、というので

じゃあ、おいでよということになった。

 

叔母はふだんからテンションが高いが

昨日は俳句の賞をもらった喜びでいつもよりさらにハイテンション。

 

 

ちなみに叔母の俳句はこんなかんじ

 

 

 

 

 

お向かいも 裏も嫁なし きんぽうげ

 

 

 

・・・・川柳ではないらしい。

叔母が俳句だと言っているから、多分俳句・・・。

 

しばらくは叔母の俳句の話を聞いていた。

でも私は二日酔い。

それに正直言って、俳句には全く興味がない。

 

叔母が持ってきた野沢菜をかじりながらぼんやり遠くを見ていたら叔母が言う。

 

「ミッソにいいこと教えてやるだ。

あたしは最近、大発見をしただよ。」

 

叔母が発見したのは

 

話を聞いていなくても

聞いているように聞こえる返事。

 

叔母は田舎で居酒屋をやっている。

10人もはいればいっぱいの小さな店なのでひとりでやっている。

でも、この店に10人客が入ったことは多分、開店以来一度も、ない。

客は一日2,3人しかこない。

しかも来る客はみんな常連客。

いつもの客の同じ話を何百回も(「何百回ってウソと思うだろ、これが恐ろしいことに、本当だだ。」叔母談)聞くのが叔母のしごと。

叔母は聞いているふりをしながら俳句を考えているらしい。

だけどヘンな相づちを打ってしまったら聞いていないのがばれてしまう。

 

 

叔母「そこで、あたしは発見しただ!

 

 ミッソ、なんでもいいからなんかお悩みしゃべれ。」

 

ミッソ「すぐに思いつかねぇだよ。」

 

叔母「ウソでもいいからなんかしゃべれ。」

 

ミッソ「米が不作・・・・。」

 

叔母はよっしゃと胸をはり、言った。

 

「いろいろあるよね~。」

 

あまりに平凡な相づちだったので拍子抜けしたが、

まぁとりあえず話を聞いてるようには聞こえる。

叔母の話はまだ続く。

 

叔母「次は、うれしかったことしゃべれ」

 

ミッソ「飼い犬が出産・・・・。」

 

「いろいろあるよね~」

 

ストーップ!

これはちょっと苦しくねぇか叔母ちゃんとさえぎった私に叔母が言う。

 

「いろんな犬がいるだね~、とか、

いろんな子犬が産まれたね~って意味に

聞こえねぇことねぇだ。」

 

聞こえねぇことはねぇけどさ・・・。

 

叔母「じゃあ、次は怒ってることしゃべれ。」

 

ミッソ「愛娘が出来ちゃった結婚・・・・。」

 

「いろいろあるよね~」

 

この場合は人生いろいろあるよね~という意味らしい。

 

この大発見を世間様に発表すべく、お前のブログにのせろと叔母がうるさいので、

一応、書いてみた。

皆様、よろしかったらご利用ください。

 


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