おばかさんの日常 [脳のおとろえ]
昨日のこと。
コタツちゃんを片付けようと突然思いたったのだった。
それ以来私の巣となっていたのだが、一日中コタツちゃんに入っているとどうも
べらぼうに怠けてしまう。
コタツちゃんの魔力にやられて、昼寝してしまったことも数知れず。
このままではいけない、とコタツちゃんを片付ける決心をしたのだった。
うちのコタツちゃんは天板と土台をネジネジで固定すれば
そのまま座卓としても使える。
家具調コタツ、というやつだ。
布団をはがし、座卓の姿に戻してやることにした。
しかし、ネジネジが見当たらない。
ネジネジで天板と土台を固定しないことには座卓として使えない。
コタツちゃんを設置したときにどこかにしまったのは覚えている。
「ここにしまったことを忘れないようにしなくっちゃ」
と思ったことも覚えているのだが、
ここってどこだ?
家中を捜索すること30分。
あ~おいら~やんなっちゃったよ~♪
おいら~とことん~やんなっちゃった~~♪
思わず口ずさんでしまったこの曲。
薄い壁のボロアパートに住んでいた学生時代、
隣の住人が毎週土曜日の朝にギターを弾きながら歌っていた曲である。
隣人の自作の曲だと思われる。
いまだに困ったときに頭の中で流れるのだった。
当時はこの曲がイヤで、聞こえてくると慌てて外出していたのだが、
こうして10年以上たった今でも口ずさめるということは、
実は名曲なのかもしれない、とは思わない。
それだけ何度も聞かされていたということだろう、かわいそうな学生時代の私。
懐かしいけど思い出したくもない曲をくちずさんでしまったため、
しばしノスタルジーに浸った。
そして、ネジネジを探していたことを完全に忘れた。
あ~あ、嫌なことを思い出しちゃったので、
散歩にでも行こう、と出かけてしまったのだった。
散歩から帰ってきて、思い出した。
ネジネジを探さなくては!
ひょっとするとあそこかもしれないとうところがあった。
夫が使っている引き出し。
夫が出しっぱなしにしているものは全部そこに入れることにしている。
私の管理下にはないので、私はただ夫のものをみつけたらそこに入れるだけ。
カオスである。
領収書やPCのコードや文房具や外貨などがぐっちゃぐっちゃに入っている。
整頓してあげようとしたこともあるが、
そうすると夫が何かをなくしたときに私も一緒に探さなくてはいけなくなるので、
そのままにしている。
うちの夫はとにかくよくモノをなくす。
きむたこちゃんちの自由人さんにも勝つかもしれない。
モノに執着がないらしい、というとポジティブな響きだが、
自分がカバンをなくしてきたことを次の出張まで気がつかないって・・・、
かなりヤバめ。
夫が今までになくした数々のモノを思い出して憂鬱な気分になりながらも、
一応夫の引き出しを開けてみた。
ゾウの柄のクッションカバーが一番上にあった。
多分どこかでお土産にもらって忘れているのだと思われる。
かわいいゾウの顔を見ていたら、笑いがこみ上げてきてしばらく笑っていた。
そしてまたネジネジのことを忘れた。
夕飯の支度をしている最中に、はっと思い出した。
土台の上に天板が乗っかっているだけの、
中途半端な姿の座卓。
消えたネジネジ。
夫はもうすぐ帰ってくるし、ご飯ももうすぐ炊き上がる。
私は再び座卓の土台に布団をかぶせ天板をのせ、
もう一度コタツちゃんを設置したのだった。
あ~おいら~やんなっちゃったよ~♪
おいら~とことん~やんなっちゃった~~♪